夫に先立たれた妻の老後はどうなる?遺族年金を考えてみよう

前回は、妻に先立たれた夫の話をしました。
今回は、夫に先立たれた妻の場合はどうなるのかを考えてみましょう。
平均寿命からみれば、妻の方が長生きするパターンが多くなります。
その時に、まず問題になるのは生活資金面になるのではないでしょうか。
生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」では、「老後の生活に不安がある」と回答した女性は88%です。
その内訳で「公的年金だけでは不安」だと答えた人は82% でした。
夫に先立たれた時、生活費や年金などの収入がいくらなのかを試算しておくことも、大切な終活になります。
不安を払拭するためにも、是非考えてみてください。
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夫に先立たれた妻が受け取れる年金
一口に「夫に先立たれた」場合でも、それぞれに事情が違います。
遺族に支給される「遺族年金」
国民年金に加入していた自営業者であれば「遺族基礎年金」
厚生年金に加入していた会社員は「遺族基礎年金」+「遺族厚生年金」
また、共働きか専業主婦であったかによっても違ってきます。
3つのパターンで見ていきましょう。
共働きの妻が、厚生年金に加入していた場合
妻には、自分がかけていた「老齢厚生年金」が支給されます。
65歳前であれば、自分の「老齢厚生年金」か、夫の「遺族厚生年金」か、どちらかの金額が多い方が支払われます。
65歳を過ぎていて、夫の「遺族厚生年金」の方が多い場合は、自分の「老齢厚生年金」との差額がプラスされます。
18歳未満の子供がいる場合は「遺族基礎年金」が支給されます。
夫が会社員で、妻が専業主婦の場合
夫が厚生年金に加入している期間内に亡くなれば「遺族厚生年金」が妻に支給されます。
この金額は、夫の「老齢厚生年金」の3/4になります。
定年退職後の受給条件については、夫とよく話し合ったり「ねんきん定期便」などで確認しておきましょう。
夫が自営業の場合
夫が自営業で、18歳未満の子供がいれば「遺族基礎年金」が支給されます。
18歳未満の子供がいない場合、厳格な条件付きでのみ、夫の「老齢基礎年金」の3/4が「寡婦年金」として、60歳~65歳の間だけ支給されることがあります。
ただし、条件が厳しくて複雑な上に、支給額もごくわずかなので、あまり期待はできない年金となります。
「遺族年金」も「寡婦年金」も受給対象でなかった場合は「死亡一時金」が一度だけ支払われることがあります。
国民年金の保障は厚生年金に比べると少ないので、老後に備えた資金を考えておく必要がありそうです。
妻に先立たれた場合の年金
夫が遺族になった場合は、自分の公的年金から「老齢厚生年金」が支払われます。
18歳未満の子供がいれば「遺族基礎年金」も支給されます。
妻が、厚生年金の受給条件を満たしていれば「遺族厚生年金」も支給されます。
妻が厚生年金に加入していなくて、18歳未満の子供もいない場合、「遺族基礎年金」は受給できません。
夫が自営業で妻が第1号被保険者であった場合のみ「死亡一時金」が支払われます。
このように、公的年金は男性より女性の方が手厚く保障されています。
夫が遺された場合の支給額に不安があるような時は、やはり事前に資金準備をするなど対策を取った方がいいでしょう。
「夫に先立たれた妻の老後はどうなる?遺族年金を考えてみよう」のまとめ
配偶者に先立たれると、年金支給額が減ってしまいます。
年金制度は改正が頻繁で、国の財政不足が心配されるこれからは、さらに高齢者に厳しい政策がとられるかもしれません。
老後資金の不安を解消するためにも、早めの準備が大切になってきます。
遺族年金については、条件や手続きがとても複雑です。
わたしも調べながら頭が痛くなってきました。
もっと詳しく、具体的な金額や支給資格などについて知りたい時は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談するのもいいかもしれません。
いかがですか?
「終活」はまだ早いという言い訳はできなくなってきましたね。
コツコツと貯蓄をするきっかけ作りも、「終活」の大切な役割であると、わかっていただけたのではないでしょうか。
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