孤独死は他人事ではない!?おひとりさまの終活を考える!

2030年に、日本人の約半数が「おひとりさま」になるという統計が出ています。
ちょっとショックですよね。
でもすでに、50代、60代のおひとりさまは激増しています。
おひとりさまと言っても、そうなってしまう理由は様々です。
今は家族がいても、いつかは一人になる可能性が誰にでもあるという現実に、ハッとさせられます。
そしておひとりさまと比例して「孤独死」も増えていきます。
これはもう他人事ではありません。
今回は、孤独死の対策と備えについて、考えてみましょう。
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孤独死になる要因
人はいつかは死にます。
その時を、どんなふうに迎えるのかを、考える人も多いでしょう。
できれば苦しまず、家族に囲まれて看取られたい。
そう願うものです。
そして最も避けたい死に方のひとつに「孤独死」があげられます。
誰にも気づかれずに、独り息絶える。
そのまま放置され、腐乱死体となって発見される。
あまり想像したくありませんが、これが「孤独死」の現実です。
では、孤独死になる要因とはなんでしょう。
家事が不得手な中高年の男性
孤独死の約7割は男性だと言われています。
企業戦士として働き詰めだった世代は、家事を妻に任せきりだったために、料理も掃除も不得手な傾向があります。
そのため、妻に先立たれたり離婚したりで一人になると、たちまち生活の質が落ちてしまいます。
栄養状態の悪さから、体を壊してしまう人も多くなるでしょう。
また、女性であっても体調を崩して食事の支度などが不自由になると、栄養面での心配がでてきます。
人づきあいが苦手な人
退職や失業により、社会との接点が減ると、途端に地域から孤立してしまうことも。
特に働き盛りの男性は、近所付き合いや地域コミュニティへの参加が少なく、一人になると戸惑ってしまうようです。
助けを求めることができなかったり、倒れているのを発見されなかったりで、孤独死に繋がります。
病気や貧困を抱えている人
リストラや大病などで思いがけない人生設計の崩壊に遭い、金銭的に不自由になることもあります。
外へ出ていけず、健康状態が悪くても、頼る人がいないために閉じこもりがちになり、孤独死を迎えてしまいます。
孤独死は高齢者だけではない
日本では年間約130万人が死亡し、その内の孤独死は約3万人との統計が出ています。
ですが、実際の孤独死はこの2~3倍はいるだろうと言われています。
孤独死というと高齢者のイメージがありますが、近年、20代~40代での孤独死が増えているそうです。
20代の孤独死
現代の20代は、社会的に様々な問題を抱えています。
派遣社員やフリーターの増加により、生活水準が低くなり、栄養状態の悪化から健康に支障をきたし、孤独死へと繋がってしまうようです。
40代の孤独死
40代になると、生活習慣病が問題になってきます。
若い頃と同じように暴飲暴食を続けていると、心筋梗塞や脳溢血などで突然倒れてそのまま孤独死へと繋がってしまうのです。
特に糖尿病からの孤独死が増えているので、注意が必要です。
孤独死への対処法
孤独死の背景は様々です。
その対策も、一人ひとりの状況や環境を考えなくてはいけません。
行政や民間の取り組みやサービスを知っておきましょう。
厚生労働省による対策
厚生労働省では、孤独死を防ぐために、各自治体で担当者による見守りや、安否確認などの対策がとられています。
自治体ごとに内容が違うので、厚生労働省のホームページで紹介事例を確認してください。
地域の見守り対策
地域の民生委員や見守りボランティアなどが、孤独死対策としての声かけや訪問をしています。
また、新聞が溜まっている家がある、カーテンが閉めっぱなし、洗濯物が取りこまれていないなど、気になることを相談する窓口も、各自治体に設けてあります。
民間のサービス
・人感センサー:家の中で一定時間動きがない場合に通報するセキュリティ会社のサービス。
・お弁当の宅配:栄養管理を兼ねたお弁当の定期宅配は、安否確認も兼ねています。
・見守りアプリ:家族に状況を知らせる生存確認システムや、介護士などに繋がる緊急システム。
増えていく希薄な人間関係
近所付き合いが当たり前だった頃には「向こう三軒両隣」という言葉がありました。
その頃には、ここまで孤独死は多くなかったはずです。
ご近所との関係が希薄になっている今、国や地域ぐるみで、孤立や孤独に対処するための取り組みが進められています。
企業のサービスや国の取り組みは、何かあった時に素早く対応するには、期待の持てる方法です。
ですが、日頃から近所付き合いや周囲とのコミュニケーションがとれていたら、カーテンが開かないなどの小さな異変に気づいてもらいやすいのです。
「何かあった時に素早く対応する」ことも大切ですが、日頃から「孤独にさせない」などの地域の取り組みが求められているのではないでしょうか。
もちろん、自分から孤立しないための努力も必要ですね。
「孤独死は他人事ではない!?おひとりさまの終活を考える!」のまとめ
この記事を書いている途中に、わたしの叔母が突然死しました。
元気で病気知らずだった叔母でしたので、周囲は驚くというよりも呆然とした感じです。
一人暮らしだった叔母が倒れているのを発見したのは、近所の方でした。
脳死状態だったそうです。
これも孤独死の一つの形ではないかと思います。
間に合いませんでしたが、叔母が冷たくなる前に、近所の方が見つけてくれたことは幸いだったかもしれません。
遠く離れた地にいた遺族に取っては、それだけが救いです。
「人はいつ死ぬかわからない」と、改めて身に染みるような出来事でした。
もし、ご両親が健在で、遠方に住んでいるのでしたら、こまめに連絡をとってください。
これも孤独死を防ぐ、大切な方法です。
腐敗して気づかれるとしたら、本人も遺族もつらいですから。
そしておひとりさまの終活の一つとして、周囲とのコミュニケーションを意識してもらいたいと思います。